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SideBoard/21120303149

【Side Board/21120303149】
1930年代に作られたオーク材のサイドボードです。
サイドボードは昔から様々なタイプが各時代を通してみられますが基本的には居間や食堂に置かれ、
食事のサービング用として使用されていました。
現代ではその収納力をリビングや客間などで活かすスタイルが主流となっています。
デザインソースは「ジャコビアン」と「アールヌーボー」がメインのミックススタイルです。
色んな時代に流行った良いデザインを取り入れたサイドボードです。

 

※ジャコビアン様式
1600年初頭に王位の座についたジェームズ1世の治世期間(1603-25)に発展した様式を【ジャコビアン様式】と呼びます。
「ジャコビアン」という名称はジェームズ1世のラテン名「ヤコブ(Jacobus)」から由来しています。
ジャコビアン様式はルネサンスの影響を受けた前世のエリザベス期の様式を受け継がれました。
直線的で重厚感のある装飾が多く、手作りのろくろや旋盤で木を削って作る挽き物細工が脚に施されるようになりました。
その他、組木や象嵌装飾(インレイ)、モールデットフロントといわれた彫刻細工などを家具の前面や側面の装飾に使うようになっていったのもこの頃と言われています。
頭頂飾りの板や隠し引き出しの前面に施された花や蔓、葉のような彫りもジャコビアンスタイルです。

 

※アールヌーボー
フランス語で「新しい芸術」という意味のアール・ヌーボーは、19世紀末から20世紀初頭にかけて
ヨーロッパ各国に広がった国際的な美術運動で、産業革命によって機械で大量生産された粗悪の製品が出回ったことに反して、
職人の手仕事を見直そうとイギリスで興った「アーツ・アンド・クラフツ運動」に端を発したものです。
芸術家や職人の感性や技術を重んじ、良質な実用品を社会に送り出すことを目指したアール・ヌーボーは
花や植物などの有機的なモチーフや自由曲線の組み合わせによる従来の様式に囚われない立体的な装飾性や、
鉄やガラスといった当時の新素材の利用などが特徴です。

 


脚の膨らんでいる飾りはカップアンドカバーと言うデザインです。
カップとフタ(カバー)を重ねたように見えることから名づけられました。

ジャコビアンスタイルの頭頂飾りにはスクロールしたの蔦のモチーフのほか、
中央に2本、両端に1本ずつ、計4本のバラスター(手すり子柱)で華やかに飾っています。

蝶番や鍵穴周りのプレートはアールヌーボースタイルを取り入れています。
プレートに細かく蔦や花を刻印していて、良いアクセントになっています。

アカンサス(葉アザミ)というモチーフを使用しています。
アカンサス(葉アザミ)は生命力が強い植物で繁栄の象徴とされ、ギリシア建築の装飾や家具の装飾、
ウィリアムモリスの生地や壁紙のデザインにもなっている等、ヨーロッパの代表的な装飾文様です。

両端の開き扉のパネルにはマホガニーの組木が嵌っています。
組木の手法はジャコビアンの時代から発展していきました。

開き扉は鍵をツマミ代わりにして開閉します。

内部の傷は目立たないようにタッチアップします。

二段目と三段目の引出しはジャコビアンスタイルで縁取り(直線的な飾り)は
モールディング(モールデッドフロント)で飾っています。

一番上の飾り彫りが施されている部分は、隠し引出しです。

引出しの中は新しいフエルトに張り替えます。

隠し引き出しの出し方は、まず二段目の引き出しを引き出します。
隠し引き出しの中央の裏側に穴が空いており、その中に入っている板を真上に押し上げると手前(黒矢印)にビョンと引き出しが飛び出します。

引出しを裏から見たところです
赤丸の部分の板を押し上げると、ロックが外れてビョンと引き出しがバネの力で飛び出します。

一見、引き出しは二段のように見えますが実は隠し引き出しがあるというサプライズにも使えますね。

一番上の隠し引き出しには大切な物を入れてみてはいかがでしょうか。

コイン型の引き出しのツマミもお洒落です。

向かって右側の開き扉には、可動式のボトルホルダーがついています。

ボトルホルダーには引き出しのように手前に引き出して使うことが出来ます。
底板の色剥げは目立たないようにタッチアップします。

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